リハビリmemo

理学療法士・トレーナーによる筋トレやダイエットについての最新の研究報告を紹介するブログ

筋トレの効果を最大にするタンパク質の摂取パターンを知っておこう

筋肉は筋タンパク質によって作られています。筋タンパク質は24時間、いつも合成と分解を繰り返していますが、私たちの筋肉の量が保たれているのは筋タンパク質の合成と分解のバランスが釣り合っているからです。 『筋肉を増やすための栄養摂取のメカニズムを…

筋トレの効果を最大にするタンパク質の摂取タイミングを知っておこう

前回はタンパク質の摂取量についてスポーツ栄養学の知見から考察してきました。 『筋トレの効果を最大にするタンパク質の摂取量を知っておこう』 今回はタンパク質を摂取する「タイミング」に目を向けてみましょう。タンパク質はいつでも摂取すれば良いとい…

筋トレの効果を最大にするタンパク質の摂取量を知っておこう

筋肉を構成する筋タンパク質は、食事により摂取されたタンパク質(アミノ酸)の量に依存して作られます(合成されます)。この筋タンパク質を合成する量が分解する量を上回ることによって筋肉が増えます。 『筋肉を増やすための栄養摂取のメカニズムを理解し…

筋肉を増やすための栄養摂取のメカニズムを理解しよう

*リライト記事をnoteに更新しています。 note.com 「科学により裏付けされたタンパク質の摂取方法(量や質、タイミング)を実践することで、日頃のトレーニングの効果を最大限に引き出すことが可能になる」 現代のスポーツ栄養学では、効率的に筋肉を増やす…

脳卒中後の効果的な立ち上がり動作トレーニングとは?

脳卒中後の転倒事例の37%が立ち上がり動作時に生じていることが報告されています(Nyberg L, 1995)。脳卒中により麻痺した下肢の支持性が低下し、体重をかけることが難しくなり、立ち上がり動作時に非麻痺側へ体幹が逸脱してしまうため、転倒が起きやすくな…

人工股関節置換術・人工膝関節置換術の再置換率を知っておこう

手術をするか、しないかの決断は、手術による利益とリスクのバランスによって判断されます。利益が大きくリスクが少なければ手術を選択しやすいですが、あまりにリスクが大きい場合には、手術を躊躇するでしょう。そのため、患者さんは手術の利益とリスクを…

2017年4月 最新のリハビリ論文まとめ

今回は、2017年の3月までに報告されたリハビリに関する論文をいくつかピックアップしています。Natureの2017年3月号では「Nature Index 2017 Japan」というテーマで日本の科学研究の失速が話題になっていますが、最近のリハビリ関連の研究では多くの日本人が…

ヒトは投げるために肩を進化させてきた 後編

私たちは投げるために肩を進化させてきました。この根拠について進化形態学では、鎖骨の延長化と肩甲骨の関節窩の垂直化、そして上腕骨の形態的変化から説明しています。 『ヒトは投げるために肩を進化させてきた 中編』 ハーバード大学のRoachらは、ヒトは…

ヒトは投げるために肩を進化させてきた 中編

ハーバード大学の進化生物学者であるRoachらは、進化形態学や生体力学の側面からこう論じています。 「ヒトは投げるために肩を進化させてきた」 チンパンジーなどの類人猿に比べて、ヒトだけがものを速く、強く、正確に投げることができます。これは、ヒトだ…

ヒトは投げるために肩を進化させてきた(前編)

ヒトの投げる能力には驚くばかりです。野球選手は18.44m離れたピッチャーマウンドから幅43.2cmのホームベース上に速く、正確に投げれるのです。 チンパンジーなどの類人猿は、ときどき物を投げますが、ヒトほど速く、正確に投げることはできません。私たちヒ…

変形性股関節症の悪化を予測する新しい指標を知っておこう

現代の生体力学研究は「股関節に生じる接触応力」が変形性股関節症を悪化させる要因であることを明らかにしています。股関節の局所に接触応力が高まることによって、股関節の滑膜に炎症が生じ、軟骨変性や骨棘が形成され、変形が増悪していきます。この接触…

坂道歩行が足関節底屈筋の痙縮を改善させる?

脳卒中後の足関節底屈筋の痙縮は、歩行時の足部のクリアランスを低下させ、歩行能力の低下に寄与します(Fung J, 1994)。また、脳卒中だけでなく、脊髄損傷後の底屈筋の痙縮と歩行能力の低下の関係も示されており(Manella KJ, 2011)、リハビリテーション…

肩甲骨のキネマティクスと姿勢との関係を知っておこう

二足歩行を獲得したヒトと、四足移動を行う他の類人猿との違いのひとつに「腰椎の前弯」があります。ヒトには腰椎の前弯がありますが、ゴリラやオラウータンなどの類人猿には腰椎の前弯がありません。進化形態学では、この腰椎の前弯の有無が直立姿勢や二足…

脳卒中の急性期でも365日リハビリしよう

「脳卒中後のリハビリは、できるだけ早くから行ったほうが良いのでしょうか?」 この問いに、現代のリハビリテーション医学はこう答えています。 「24時間以内の超早期リハビリに明確な効果はありません」 『脳卒中の超早期リハビリ論争 AVERTⅢの全容と批判…

肩甲骨の運動パターンから肩甲骨周囲筋の筋活動を評価しよう

肩甲骨の運動異常(Scapular dyskinesis)の要因のひとつに肩甲骨周囲筋の異常な筋活動があり、これまでに数多くの肩甲骨周囲筋の筋電図研究が行われてきました。しかし、南カルフォルニア大学のMichenerらは、これらの研究成果をたったひとことで一蹴したの…