リハビリmemo

理学療法士・トレーナーによる筋トレやダイエットについての最新の研究報告を紹介するブログ

知覚探索の重要性


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Effects of plantar perception training on standing posture balance in the old old and the very old living in nursing facilities: a randomized controlled trial.

Clinical Rehabilitation, 2011

後期高齢者の立位姿勢制御に対する知覚探索トレーニング効果についての報告(実験的研究;ランダム化比較試験)。

対象は、75歳以上の高齢者40名。ランダムに介入群21名、コントロール群19名に分けた。

介入群・コントロール群ともに、固さの異なるスポンジ(フォームラバー)上で立位バランス課題を行い、介入群のみスポンジの固さを知覚し、答えるという知覚探索トレーニングを付加された。両群ともにこのトレーニングを10日間連続で行った。

下記の2つのアウトカムをトレーニング前後で測定した。

①重心動揺(開眼・閉眼)

②ファンクショナルリーチテスト

その結果、介入群は、コントロール群と比し、重心動揺の減少、リーチ距離の増大が有意に認められた。

介入群、コントロール群ともに、スポンジ上での立位トレーニングを受けたが、介入群で有意にバランス能力が改善した。これは、スポンジの固さを自発的に探索する知覚探索「active touch」の重要性を示している。また、このような知覚探索トレーニングは、後期高齢者に対しても有効であることが示唆された。

とのこと。

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森岡先生は、知覚探索トレーニングの有効性を脳卒中20代、60代(前回ブログ)で報告されている。今回の報告で、知覚探索トレーニングが広く臨床に応用できることを示しただろう。また、従来のトレーニングに知覚探索というキーワードを投げかけており、運動と知覚という脳機能を考えたトレーニングを思考するきっかけを与えてくれていると思う。

 

twitterアカウント: @takumasa39