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リハビリmemo

大学病院勤務、大学院リハビリテーション学所属の理学療法士による、研究と臨床をつなげるための記録

ねこ背になると転倒しやすくなる 〜大規模研究による検証〜

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さて、ねこ背になると歩くスピードが遅くなったり、歩幅が狭い歩容になったりして、いわゆるお年寄りの歩き方になることがわかっています(ねこ背になると歩き方も変わる?)。

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また、ねこ背になると歩いているときの方向転換や階段の昇り降りの能力も低下することが明らかになっています(Hirose D, 2004)。

 

では、ねこ背になり、歩くときや階段のときに不安定になると何が起こるのでしょうか?

それは、「転倒」ですよね。

 

今回は、ねこ背と転倒の関係を明らかにした世界初の大規模研究の報告をご紹介します。



reference)

Hyperkyphotic Posture and Risk of Injurious Falls in Older Persons: The Rancho Bernardo Study

Kado DM, 2007



この研究は、アメリカのカルフォルニアで行われた大規模研究「Rancho Bernardo Study」に参加した1,883名の高齢者(年齢45~95歳)を対象に行われた。

 

ねこ背の有無とねこ背の度合いを分類するため、参加者を仰向けに寝かせ、頭部とベッドの間に入るブロックの個数を計測(ちなみにブロックの高さは1.7cm)。

0個を正常、1個以上のねこ背と定義しています。また、ねこ背の度合いはブロック1個、2個、3個以上の3つに分類。

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調査はアンケートで行われ、過去1年間の転倒の有無とともに、骨密度や身体計測(身長・体重・BMI)などを聴取した。

 

その結果…

 

・ねこ背の人は転倒する可能性が1.38倍になり、ねこ背が強くなると1.48倍に増加する。

・全体としては女性の転倒する傾向が強いが、年齢などを調整すると、軽度のねこ背である男性が一番、転倒するリスクが高いことがわかった。

 

とのことです。

 

この研究以前にもねこ背と転倒の報告(Sinaki M, 2005など)は見られていましたが、小規模研究ばかりであり、ねこ背になると転倒しやすくなるということがやや懐疑的でもありました。

この研究のポイントは、初めて大規模研究によってねこ背と転倒の関係性を検証し、ねこ背になると転倒しやすくなるということを明確にしたことです。

そして、この研究をへて、ねこ背と転倒の研究は次のレイヤーに進んでいくことになるのです。

 

 

ねこ背シリーズ 

ねこ背シリーズ①:ねこ背になると歩き方も変わる?

ねこ背シリーズ②:ねこ背になると生活がつまらなくなる?

ねこ背シリーズ③:「背が低くなったんじゃない?」と言われた要注意!

ねこ背シリーズ④:ねこ背になると転倒しやすくなる 〜大規模研究による検証〜

ねこ背シリーズ⑤:ねこ背になると転倒しやすくなる 〜本当の犯人は?〜

ねこ背シリーズ⑥:ねこ背になると転倒しやすくなる 〜腰がまっすぐになると…〜

ねこ背シリーズ⑦:自分でねこ背を計る方法(前編:科学的根拠の確認)

ねこ背シリーズ⑧:自分でねこ背を計る方法(後編:C7PL2.0をやってみよう!)

ねこ背シリーズ⑨:ねこ背と骨盤の代償運動を理解しよう

ねこ背シリーズ⑩:なぜ、ねこ背になるのか?

ねこ背シリーズ⑪:ねこ背の原因は背筋の霜降り化?

ねこ背シリーズ⑫:ハイヒールを履くとねこ背になる?

ねこ背シリーズ⑬:ねこ背と柔軟性 〜腰椎の柔らかさが大事〜

ねこ背シリーズ⑭:ねこ背になると肩が上がらなくなる?

ねこ背シリーズ⑮:座る姿勢がねこ背の原因になる?

 

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