2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧
2015年、テキサス大学のLiらは、痙縮のメカニズムについての新しい知見をまとめたシステマティックレビュー”New insights into the pathophysiology of post-stroke spasticity”を発表しました。 通常、脊髄の反射回路の興奮性は、上位運動ニューロンにより…
今回は、雑誌European Spine Journalの2014年5月号から「腰椎椎間板ヘルニアが生じやすい脊椎・骨盤アライメント」についての報告をご紹介します。 前回は、腱板断裂のリスクがわかるレントゲン所見の指標である「Critical Shoulder Angle(CSA)」を紹介し…
「痙縮とは、上位運動ニューロン病変により、間欠的または持続する不随意な筋活動をきたす感覚-運動制御の障害である」(Pandyan AD, 2005) イギリス・キール大学のPandyanらは、2005年に新しい痙縮の定義を唱え、現代の神経生理学ではこの定義に準拠して研…
今回は、雑誌Journal of Shoulder Elbow Surgeryの2016年9月号より、腱板断裂術後の再断裂を予測する指標についてご紹介します。簡易的な指標で、まだ日本ではあまり取り上げられていないので、研究や臨床で試してみるといいかもしれません。 ◆ 腱板断裂の新…
1950年代から、筋紡錘のメカニズムにもとづき、痙縮の原因は「筋紡錘の感度の変化」であると考えられてきました。 『筋紡錘のメカニズムから脳卒中の痙縮について考えよう』 この考えは、1970年代に行われた除脳ネコなどの動物実験の結果からも後押しを受け…
「脳卒中の痙縮に対する有効なリハビリテーションの知見はありますか?」という質問を受けましたので、今回から何回かに分けて、痙縮のリハビリテーションについて考察してみようと思います。 「彼を知り己を知れば百戦殆からず」とは孫子の言葉です。痙縮を…