リハビリmemo

大学病院勤務・大学院リハビリテーション学所属の理学療法士による「研究と臨床をつなげるための記録」

姿勢制御のしくみとリハビリテーション

H反射を理解して立位姿勢制御のしくみを知ろう

「H反射」この言葉を聞いて嫌になる気持ち、よくわかります。 しかしです、H反射を理解することで立位姿勢制御や歩行制御のメカニズムを知ることができ、臨床におけるクリニカルリーズニングの質を高められるとしたら、少しはこのエントリを読んでみようと…

ステップ動作の予測的姿勢制御を理解しよう!

生体力学が言う安定した立位とは、身体重心(Center of mass:COM)が足圧中心(Center of pressure:COP)の真上に保たれている状態のことです。手のひらで棒を立ててバランスをとる場面を想像するとわかりやすですね。 立位で上肢を挙上させるとCOMを前方…

ヒトの大脳皮質と予測的姿勢制御 ①

1985年、アメリカの生理学者であるLibetらは、脳科学の視点から「自由意志」の存在を疑う研究論文”Unconscious cerebral initiative and the role of conscious will in voluntary action”を発表しました(Libet B. 1985)。この論文の内容は「リベットの実…

ヒトの大脳皮質と姿勢制御 ②

ヒトの立位姿勢は、脊髄、脳幹、小脳、基底核そして大脳皮質を含む階層的な神経システムによって制御されています。近年では、ニューロイメージング研究の発展にともない、大脳皮質でも特に補足運動野が立位バランスに関与していることが明らかになりつつあ…

ヒトの大脳皮質と姿勢制御 ①

効果的に姿勢や歩行障害を改善させるためには、そのしくみを理解しリハビリテーションをデザインすることが大切です。運動学や脳科学といった学問により明らかにされた「しくみ」は科学的に検証された知見であり、しくみにもとづくリハビリテーションは、科…

ヒトの皮質網様体路と姿勢制御 ②

旭川医科大学の高草木教授は、動物実験や病態モデルの研究報告をもとに「皮質網様体路は姿勢制御に関与する」という仮説を提唱しています。 前回のエントリでは、拡散テンソルトラクトグラフィー(Diffusion tensor tractography:DTT)を用いて、初めてヒト…

ヒトの皮質網様体路と姿勢制御 ①

「運動前野、補足運動野から脳幹網様体に至る皮質網様体路は、姿勢制御に関与する」 大脳基底核と運動制御の研究で著名な旭川医科大学の高草木教授は、動物研究、病態モデルからこのような仮説を提唱しています。そしてこの仮説は以下の根拠にもとづいていま…

ロンベルグ試験から立位姿勢制御のしくみを理解しよう

立位姿勢は、視覚、前庭感覚、固有感覚の3つの感覚により制御されている。 ・視覚は、直立姿勢をジャッジするための動きと手がかりを与えてくれる。 ・前庭感覚は、頭部の動きと重力に関する頭位についての情報を与えてくれる。 ・固有感覚は、荷重情報、身…

小脳の障害像と損傷部位の関係を理解しよう

今回は小脳疾患の障害像と損傷部位の関係について勉強しましょう。 それでは、高い棚にある本を取ろうとする場面を思い浮かべてみて下さい。 ここで本をとる際の身体の運動を順を追って見てみましょう。 ①リーチ動作に先行して下肢や背筋の筋が収縮する(予…