リハビリmemo

理学療法士・トレーナーによる筋トレやダイエットについての最新の研究報告を紹介するブログ

ねこ背になると歩き方も変わる?

加齢とともに生じる姿勢の変化。 いわゆる「ねこ背」は65歳以上の女性の2〜4割に生じることが報告されています(Kado DM, 2004、Takahashi T, 2005)。 今日、ご紹介する研究は、この「ねこ背」が歩き方にどのような影響を与えるか?について調査した報告です…

人工股関節置換術とスポーツ

先日、担当している変形性股関節症の患者さんから、人工股関節術(THA)後のマラソン復帰について相談を受けました。 最近では、このようなスポーツ復帰の相談を受ける機会が少しずつ増えているように思います。 厚生労働省の平成20年度国民健康・栄養調査結…

変形性股関節症とランニング(まとめ)

「やりたいことができない。」 これほど生活の質(Quality of life)を損ねるものはありません。 変形性股関節症、膝関節症の診断がなされたとき、多くの場合、医師よりスポーツを制限されます。 これは、学生さんにとっては、楽しい体育の時間がとても辛い…

変形性股関節症の保存療法と関節軟骨

変形性股関節症の保存療法というと、股関節周りの筋肉のコリを改善し、歩行や動作時の痛みを和らげることが目的の1つになります。 では、関節軟骨に対してはどのような影響があるのでしょうか? 股関節症の増悪の明らかな原因の1つは「関節軟骨の破壊」とい…

見落としがちな歩き方のポイント(その2)

前回のブログでは、楽に歩くためには「股関節の伸展」が大事であるということをエネルギー効率の視点からお話しました。 今回は、筋肉の使い方の視点からお話します。 「でこぴん」をイメージしてみてください。 親指で人差し指を抑えて力をためます。 そし…

見落としがちな歩き方のポイント

「自分の後ろ姿は、自分じゃ見えないんだなぁ」相田みつを 私の好きな言葉である。 歩くときに「踵から地面に着く」、「膝を高く上げる」ことは自分の目で見て確認することができる。 しかし、体の後ろで足がどのように蹴り出しているかは自分じゃ見えない。…

歩きに適した外転筋トレーニングの方法

股関節の外転筋は、骨盤を安定させるための大切な筋肉である。 股関節症の場合、この外転筋の機能不全が生じ、結果として歩く際に骨盤が安定しなくなり、代償的に体が横にブレるようになる。 その際、一般的に多く行われるのがこの外転筋トレーニング。 横向…

最新手術「筋肉温存型人工股関節置換術」まとめ

日本で従来より多く行われている人工股関節置換術(THA)の手術は ・15〜20cmほどの皮膚の切開 ・歩行に重要な股関節の筋肉(外転筋)の切離 が必要なものである。 皮膚を大きく切開することは股関節症の多い女性にとって好ましくないことであり、早期の歩行…

変形性股関節症の遺伝子研究の進展

変形性股関節症の発症には、遺伝的要因が関与していることが明らかにされている。 末期股関節症の遺伝度は27%(オッズ比1.86)と報告されている(Chitnavis J, 1997)。 これらの股関節症に特異的な原因遺伝子の同定には至っておらず、また、アジア人と欧米…

変形性股関節症の簡単な脊椎疾患との鑑別法

自分の下肢の痛みが股関節が原因なのか、脊椎が原因なのか、その両方なのか、悩むことが多いと思う。また、セラピストにおいても画像なしに判断するのはとても難しい。 今回、紹介する報告は、股関節疾患(主に変形性股関節症)の簡単な脊椎疾患との鑑別法に…

歩容から見る変形性股関節症の重症度

変形性股関節症(変股症)患者の歩容から変股症の重症度がわかるのだろうか? 変形性股関節症の患者によく見られる歩行パターンとして、矢状面上での立脚中期以降の股関節伸展不全が認められ、これは「motion discontinuity; MD」と言われている。(下図:Hu…

自分で簡単に変形性股関節症の程度を確認できる方法

変形性股関節症の重症度を知る手段は、レントゲン写真以外にないのだろうか? 紹介する報告は、レントゲン写真による股関節症の重症度と股関節の可動域の関係について検証したものである。 reference) Predicting radiographic hip osteoarthritis from rang…

人工股関節術後に残りやすい立ち上がり動作のポイント

人工股関節術後(THA術後)における術前の体の使い方が歩行(過去ブログ)、階段昇降(過去ブログ)、立ち上がり動作などの荷重動作で残存することが数多く報告されている。 近年、日本で行われた調査では、THA術後、数年経過した後に非術側の膝関節症を併発…

歩き方の学習を促進させる裏技

もし、歩行練習に効果的な物理療法があるのなら? 経頭蓋直流電気刺激療法(tDCS)がこの10年の間に注目を浴びている。 tDCSは、1m〜2mAの微力な直流電気を大脳皮質の一次運動野に与えることにより、神経の興奮性をコントロールすることが可能である(Nitsch…

人工股関節術後に残りやすい歩き方のポイント

野球のピッチャーが投球フォームを変えることが難しいように、一度、最適化された歩き方というのは変えるのが難しい。 人工股関節術後1年が経過しても術前の歩き方(筋活動パターン)が残存しやすいという報告がある(Foucher KC, 2007)。 今回の報告は、運…