リハビリmemo

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新刊『科学的に正しいダイエット 最高の教科書』発売のお知らせ


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 新刊「科学的に正しいダイエット 最高の教科書KADOKAWA様より発売されます。

 

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 発売日は10月29日になります。

 

 

単行本

 

Kindle

 

 

 「この本には『簡単にダイエットをする方法は書かれていません』」

 

 本書は冒頭から、このような書き出しではじまります。なぜなら、現代の科学が日夜、研究に挑んでいますが、いまだに「ダイエットの必勝法」は見つかっていないからです。

 

 「これをすればダイエットできる」という必勝法はありませんが、さまざまな科学の分野からダイエットで「やるべきこと」と「やってはいけないこと」という攻略法が明らかになってきました。

 

 肥満は今、世界的な問題となっています。過去50年の間に世界中で増加し、現在では「肥満のパンデミック(世界的大流行)」と例えられるほどの域に達しています。

 

 肥満は身体的な魅力とともに生活の質を下げます。糖尿病や高血圧、心筋梗塞脳卒中などの病気のリスクを高め、寿命を縮めることにもつながるのです。この肥満のパンデミックを収束させるべく、進化論、睡眠医学、栄養学、運動生理学などの現代の科学が、この問題の解決に挑み、最新の研究結果を報告しつづけています。

 

 ヒトがなぜ太りやすいのか?という問いに、進化論は「そもそもヒトは太るようにデザインされている」とその答えを導き出し、進化の過程から肥満のメカニズムを提唱しています。

 

 ダイエットといえば食事が注目されがちですが、睡眠医学は「ダイエットの土台は良い睡眠にある」ことを多くの知見から明らかにし、ダイエットをするなら十分な睡眠と睡眠の質を高めることを推奨しています。

 

 低炭水化物ダイエットや低脂肪ダイエットなど、さまざまなダイエットの食事方法があります。これに対して、最新の栄養学では「食事の量から食事の質へ」とダイエットのパラダイムシフトを推し進めており、健康的でやせやすい炭水化物や脂質、タンパク質などの摂取が推奨されています。これらの「質の高い、やせる食事」を摂取することが、無理なくダイエットを続けることにつながります。

 

 良い睡眠や質の高いやせる食事で体脂肪量が減り、体重が減少すると「やせにくく」なります。これは脳や身体がもとの体重にもどすように恒常性を働かせて、食欲を高め、エネルギー消費量を減らす生理的反応を生じさせるからです。これがリバウンドのメカニズムになりますが、そこでさらにダイエット効果を高めるために行うべきなのが「有酸素運動や筋トレ」などの運動です。運動生理学は、これらの運動の効果的な方法論を明らかにしています。

 

 そして、ダイエットを成功させるために重要なのが、「食事×運動×睡眠」の良い相互作用を生み出すことです。健康的なやせる食事をすると運動のパフォーマンスが高まり、良い睡眠が得られやすくなります。適度な運動は過剰な食欲を抑え、睡眠の質を高めます。良い睡眠は食欲を抑えるとともに、運動のパフォーマンスを高めてくれます。このように「食事×運動×睡眠」の良い相互作用を得ることがダイエット効果をさらに向上させます。

 

 「これをすればダイエットできる!」という必勝法はありません。しかし、本書でご紹介している食事、運動、睡眠についての科学的根拠(エビデンス)が示す「やるべきこと」と「やってはいけないこと」の組み合わせで、無理なくダイエットに取り組むことが一見、遠回りに見えますが、実はダイエットの成功への近道になるのです。

 

 これからダイエットを始めようとしている人、始めている人、伸び悩んでいる人、ダイエットに挫折してしまう人にこの本を読んでいただければ、新たな発見がそこにはあるでしょう。書店で見かけましたら是非、手にとっていただけると幸いです。

 

 

ー目次ー

 

はじめに

【本書を読み進める前に】「科学的に正しい」とはどういうことか?

 

序章 ダイエットに関する5つの新常識 

【新常識1】私たちは太るようにデザインされている

【新常識2】ダイエットの土台は「睡眠」によってつくられる

【新常識3】たくさん食べてもダイエットできる炭水化物がある

【新常識4】ダイエットを成功させるカギはタンパク質

【新常識5】 リバウンドを防ぐ処方箋は「ジョギングと筋トレ」

 

第1章 ヒトはなぜ太りやすいのか

【1−1】ヒトは太りやすいように「デザイン」されている

旧石器時代の食料事情が太りやすさの原因/ヒトは脂肪のおかげで飢餓を乗り越えた/糖質や脂質を「美味しい」と感じるものが生き残った/現代人の心は旧石器時代のまま/原因は「太りやすい身体」と「飽食の時代」

【1−2】「火」がヒトをさらに太らせた

「火」が食の可能性を大きく拡げた/近代の工業化により加工技術は新たな領域へ

【1−3】甘いもので太るメカニズム

ショートケーキで太るメカニズム/グルコースインスリン/もっとも太りやすい糖類「フルクトース」/フルクトースは食欲も高めてしまう

【1−4】 脂質で太るメカニズム

「あぶら」とは何か?/悪玉コレステロールの正体/脂質を「美味しい」と感じるわけ/脂質中毒という恐ろしい罠/脂質は大切だが、摂りすぎは危険

【1−5】現代人は「食欲の仕組み」がハックされている

食欲は2種類ある/レプチン抵抗性が食欲を高める/報酬系の鈍化がさらに食欲を高める/短期的な食欲のメカニズムを知っておこう!

 

第2章 良い睡眠で、ダイエットの土台をつくろう

【2-1】ダイエット成功への新機軸「睡眠」

なぜ私たちは意志がゆらぐのか/睡眠不足は、ダイエットの意志力を鈍らせる

【2-2】睡眠不足は、食欲を高めてしまう

睡眠不足の人ほど、肥満度が高い/「嗜好性の食欲」を刺激してしまう

【2-3】睡眠不足でなぜ太るのか

睡眠不足とエネルギー摂取量の関係/お菓子を食べたくなる

【2-4】テレビをつけたまま寝ると太る

人工的な光は肥満のリスクがある/サーカディアン・リズムを乱す

 

第3章 食事管理の第一歩は、超加工食品をやめること

【3-1】超加工食品で太る科学的な根拠

加工食品は4つに分類できる/超加工食品は世界中の人々を太らせている

【3-2】「食べる仕組み」を乗っ取られる

超加工食品の太る最新エビデンス/ヒトの「食べる仕組み」がハックされる!/超加工食品の制限は「少しずつ」

【3-3】砂糖入り飲料をやめよう

清涼飲料水をやめるとやせる/水を飲もう/「甘くて美味しい」は中毒性がある

 

第4章 やせる食事、太る食事の見分け方

【4-1】好きなだけ食べてやせられる時代がきた

これまでのダイエットの考え方/量を減らすより、質を考慮しよう

【4-2】「やせる炭水化物」「太る炭水化物」

食物繊維のすごい効果/「やせる炭水化物」は食物繊維の量で決まる/食物繊維は病気の発症率、死亡率を下げる!

【4-3】白米から玄米に換えよう

精製穀物を食べるとなぜ太るのか/精製穀物と全粒穀物はどちらがやせる?/炭水化物を減らすのではなく、「置き換える」が正解

【4-4】「やせる野菜」と「やせる果物」はこれ!

やせる野菜の見分け方/やせる果物の見分け方/脳卒中や血圧低下のリスクを減らす

【4-5】「やせる脂質」「やせる油」があった!

脂質のおさらい/「やせる脂質」はどのようにして発見されたか/飽和脂肪酸は、ほんとうに身体に悪いのか?/不飽和脂肪酸はすべて健康に良いのか?/やせる脂質と太る脂質はこれ!

【4-6】タンパク質は「やせる栄養素」

高タンパク質は、ダイエット初期の体重の減少を促進する/リバウンド予防にも、タンパク質が効く/タンパク質は食欲を抑える/「甘いものは別腹」の欲求も抑える/タンパク質の摂取はエネルギーをもっとも消費する/高タンパク質の摂取が食事誘発性熱産生を高める

【4-7】やせるタンパク質①「白い肉」

「赤い肉」「加工肉」は太る/「白い肉」は太らない/肉の種類別「エネルギー密度」/「白い肉」は健康にもいい

【4-8】やせるタンパク質②「乳製品」

エネルギー制限ダイエットとの相性がいい/ヨーグルトはもっとも体重を減少させる/乳製品と炭水化物の相互関係は?/乳製品がダイエット効果を高めるメカニズム/プロバイオティクスが体重を減らす

【4-9】やせるタンパク質③「ホエイプロテイン

プロテインには食欲を抑える効果がある/ホエイプロテインは食欲を抑える

【4-10】やせる飲み物①「緑茶」

緑茶で体重が減ることがわかった/緑茶はどれくらい飲めばいい?/ポリフェノールが体重を減らす/茶カテキンは健康的にやせられる!

【4-11】やせる飲み物②「コーヒー」

コーヒーは健康に良いのか悪いのか論争/コーヒーはウエストを細くする/コーヒー好きは研究の続報を期待しよう

【4-12】「やせるおやつ」なら食べても大丈夫

「おやつはダメ」はもう古い/ナッツは空腹感を減らす/ナッツによる健康増進も多数報告あり

【まとめ】おすすめの食事プレート

やせる炭水化物(プレートの4分の1)/やせる野菜と果物(プレートの2分の1)/やせる油(ほどほどに)/やせるタンパク質(プレートの4分の1)/ やせるサプリメント/やせる飲み物/やせるおやつ(ほどほどに)

 

第5章 やせグセがつく、ボディメイク

【5-1】まずは「食事の管理」からはじめよう

最初から自分を追い込まなくていい/ダイエットの途中で体重が減りにくくなる理由/運動と食事制限は、どちらがラク?/人間の「意志力」が長続きの源泉

【5-2】なぜ私たちは、リバウンドしてしまうのか

栄養学と運動科学が教える「超ド正論」/脂肪が減ると、脂肪を増やそうとする/食欲の異常が恒常性をマヒさせる/体重が減るとエネルギー消費量も減る/長期的なダイエット成功の秘訣

【5-3】運動がリバウンドを防ぐエビデンス

運動すると食欲が減る/継続的な運動は「食欲のリズムを正常化させる」/運動は筋肉を増やしエネルギー消費量の減少を抑えてくれる/「食事管理+運動」は長期的な体重減少を促す

【5-4】運動はぽっこりお腹をへこませる

肥満には「健康な肥満」と「不健康な肥満」がある/内臓脂肪を減らしてこそ真のダイエット

【5-5】正しい有酸素運動の方法を知っておこう

ヒトは長く走るように進化してきた/有酸素運動で最適な「運動強度」/もっとも脂肪を減らす有酸素運動の「運動時間」/最適なのはジョギングか? サイクリングか?

【5-6】ダイエット成功のカギは「筋肉」にある

筋肉量とリバウンドの関係を見出した研究/筋肉量の減少がリバウンドの要因となる科学的根拠/男性はダイエットによる筋肉量への影響が強い

【5-7】リバウンドを防ぐ筋トレの方法 

筋トレ+有酸素運動=リバウンドの防止/筋肥大は「トレーニングの総負荷量」で決まる/筋トレするなら「低強度」がオススメ/単関節よりも、多関節トレーニングをしよう/筋トレとタンパク質の摂取はセットで!/ホエイプロテインの効果

【5-8】「部分やせ」はすべてウソ

腹筋をしても、お腹はスリムにならない/腕の筋トレをしても「二の腕は細くならない」/脚の筋トレをしても「太ももは細くならない」/細くしたいなら、まず食事管理を

 

第6章 「食事×運動×睡眠」が成功の方程式

【6-1】やせる食事は筋トレの効果や睡眠の質を高める

睡眠の仕組みを知っておこう/タンパク質の摂取が睡眠の質を高める/炭水化物や脂質も睡眠に影響を与える

【6-2】運動は食欲を抑えて、睡眠を改善する

運動は睡眠時間を延ばし、睡眠の質を高める

【6-3】睡眠不足は食欲を高め、運動のパフォーマンスを低下させる

睡眠不足は運動へのモチベーションを失わせる/筋トレのパフォーマンスを低下させる/多関節トレーニングに悪影響な理由/オーバートレーニングを引き起こす

【6-4】ダイエットにおける食事・運動・睡眠の相互作用

 

おわりに

参考文献

 

 

単行本

 

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