変形性膝関節症の発症や悪化の主な原因は、歩行時の膝関節に生じる接触応力とされています。 『変形性膝関節症のリハビリの新しい考え方』 接触応力には体重が大きく関係しているため、変形性膝関節症の発症や悪化の要因に肥満や体重過多が挙げられています…
現代の生体力学(バイオメカニクス)研究では、脳卒中後の歩行速度、歩行耐久性を規定する決定因子を明らかにし、有効な歩行介入の方法論にまで示唆を与えてくれています。 今回は、生体力学が教える脳卒中後の歩行能力を改善させるシンプルな方法について…
友人との買い物、恋人とのデート、家族とのお出かけ、どれも楽しいですよね。私たちは他者との関わり合いの中から「幸せ」を感じます。なぜなら、ヒトは社会的な動物だからです。 『社会心理学が教える幸せの方程式』 他者との社会的活動を共有するためには…
2015年に発表された脳卒中の超早期リハビリの大規模RCTであるAVERTⅢ(A very early rehabilitation trial Ⅲ)は超早期リハビリの有効性を棄却するものであった。この結果は、30年にわたる脳卒中の超早期リハビリ論争に一石を投じるものとなり、世界的にも大…
これまで脳卒中の超早期リハビリテーション論争の歴史と推奨派、反対派の主張を見てきた。 『脳卒中の超早期リハビリテーション論争 まとめ①』 『脳卒中の超早期リハビリテーション論争 まとめ②』 今回は、2015年に発表された超早期リハビリの大規模RCTであ…
脳卒中の超早期リハビリテーションに対する推奨派と反対派の議論は30年にもわたり行われ、巷では「脳卒中の超早期リハビリテーション論争」と呼ばれている。 『脳卒中の超早期リハビリテーション論争 まとめ①』 医学において批判(Critical)という用語は欠…
今回から、脳卒中の超早期リハビリテーションの30年に及ぶ議論について紹介するとともに、近年、新たな展開を迎えた超早期リハビリテーションの最新の知見までをシリーズで紹介していきたい。まずは超早期リハビリの30年史を見ていこう。 1980年代半ば、スウ…
「肩関節インピンジメント症候群」と聞いてどのような評価と治療を思い浮かべるでしょうか? 理学療法や作業療法は、医師の診断にもとづく診断名に応じて評価・治療を行います。しかし、このような現状に対して2013年、Ludewigらは診断名にもとづいたリハビ…
変形性膝関節症を悪化させる主な要因は、膝関節に生じる負荷(メカニカルストレス)であると言われています。 『変形性膝関節症を予防する基本戦略』 歩行や日常生活動作でメカニカルストレスが繰り返し生じることによって、膝関節の痛みや悪化を招きます。…
現代の生体力学は、変形性膝関節症の予防や保存療法についてのポイントをひとことで説明しています。 「膝内転モーメントを減少させよう」 そして近年では、歩行時の膝内転モーメントを減少させるという基本戦略にもとづき、様々なリハビリテーションアプロ…
生体力学が言う安定した立位とは、身体重心(Center of mass:COM)が足圧中心(Center of pressure:COP)の真上に保たれている状態のことです。手のひらで棒を立ててバランスをとる場面を想像するとわかりやすですね。 立位で上肢を挙上させるとCOMを前方…
1985年、アメリカの生理学者であるLibetらは、脳科学の視点から「自由意志」の存在を疑う研究論文”Unconscious cerebral initiative and the role of conscious will in voluntary action”を発表しました(Libet B. 1985)。この論文の内容は「リベットの実…
ヒトの立位姿勢は、脊髄、脳幹、小脳、基底核そして大脳皮質を含む階層的な神経システムによって制御されています。近年では、ニューロイメージング研究の発展にともない、大脳皮質でも特に補足運動野が立位バランスに関与していることが明らかになりつつあ…
効果的に姿勢や歩行障害を改善させるためには、そのしくみを理解しリハビリテーションをデザインすることが大切です。運動学や脳科学といった学問により明らかにされた「しくみ」は科学的に検証された知見であり、しくみにもとづくリハビリテーションは、科…
変形性股関節症の保存療法の効果的な介入とは、股関節症を悪化させる影響度の高いリスクファクターを明らかにし、優先的に対応策を講じることです。 股関節に生じるメカニカルストレスの局所的な増加は、滑膜炎による軟骨変性や骨のリモデリングを発生させ…