リハビリmemo

大学病院勤務・大学院リハビリテーション学所属の理学療法士・トレーナーによる「研究と臨床をつなげるための記録」

変形性膝関節症のリハビリテーション

変形性膝関節症のウォーキングの注意点を知っておこう

「なるべくウォーキングをしましょう」 変形性膝関節症や変形性股関節症の保存療法において、多くの医療者はウォーキングを推奨しています。 歩行の機会が少なくなると関節症の悪化や筋力の低下、心肺および血管機能の低下が進み、生活の質(QOL)が損なわれ…

変形性股関節症・変形性膝関節症の保存療法によるリスクを知っておこう

「手術をすべきか、しないべきか」 多くの患者さんが迷うところだと思います。 この判断をするためには、手術による利点とリスク、手術をしないことによる利点とリスクを正しく理解することが大切です。 変形性股関節症や変形性膝関節症の主な手術は、人工股…

人工股関節置換術・人工膝関節置換術の再置換率を知っておこう

手術をするか、しないかの決断は、手術による利益とリスクのバランスによって判断されます。利益が大きくリスクが少なければ手術を選択しやすいですが、あまりにリスクが大きい場合には、手術を躊躇するでしょう。そのため、患者さんは手術の利益とリスクを…

レントゲンでもわからない初期の変形性膝関節症を示す「ある痛み」とは?

早期治療には「早期発見」が大切です。 誰でも膝が痛いときは病院へ行かれると思います。病院では、変形性膝関節症が疑われる場合、まずレントゲンが撮られます。レントゲン所見で得られる膝関節の構造的な変化(骨の硬化像や骨棘)が診断に有用とされている…

変形性膝関節症に良い靴選びのガイドライン

変形性膝関節症と診断されたら、どのように対処するれば良いのでしょうか? 重症度にもよりますが、一般的には薬やリハビリテーションのような保存療法が勧められます。 しかし、近年の変形性膝関節症のガイドラインでは自己管理(Self-management)の重要性…

変形性膝関節症の術後の痛みが転倒のリスク因子になる

今回は、雑誌Clinical biomechanicsの2016年9月号からオットー・フォン・ゲーリケ大学のHamacherらの報告をご紹介します。 Hamacherらは、2010年ごろより転倒に関する論文をすごい勢いで報告をしています。今回は「人工膝関節術後の疼痛が転倒のリスク因子に…

変形性膝関節症は体重を減らせばOK!という簡単な話ではありません

変形性膝関節症の発症や悪化の主な原因は、歩行時の膝関節に生じる接触応力とされています。 『変形性膝関節症のリハビリの新しい考え方』 接触応力には体重が大きく関係しているため、変形性膝関節症の発症や悪化の要因に肥満や体重過多が挙げられています…

変形性膝関節症の予防⑥ 注意すべき日常生活動作とその理由

変形性膝関節症を悪化させる主な要因は、膝関節に生じる負荷(メカニカルストレス)であると言われています。 『変形性膝関節症を予防する基本戦略』 歩行や日常生活動作でメカニカルストレスが繰り返し生じることによって、膝関節の痛みや悪化を招きます。…

変形性膝関節症の予防⑤ 生体力学が教える注意すべき日常生活動作

現代の生体力学は、変形性膝関節症の予防や保存療法についてのポイントをひとことで説明しています。 「膝内転モーメントを減少させよう」 そして近年では、歩行時の膝内転モーメントを減少させるという基本戦略にもとづき、様々なリハビリテーションアプロ…

変形性膝関節症に良い靴選び④

変形性膝関節に良い靴とは、どのような靴なのでしょうか? この問に近年の生体力学は、たったの2行で答えることができます。 裸足(はだし)が最も膝に優しい。 『変形性膝関節症に良い靴選び②』 裸足を模倣した、靴底が薄く、フラットで、柔らかく、軽い靴…

変形性膝関節症に良い靴選び③

変形性膝関節症に良い靴選びについて、近年の生体力学は「裸足(はだし)」が最もよいと言います。そのメカニズムは、裸足になることで足底のセンサーの感度が高まり、身体に合わせた歩き方に調整してくれること、足部の動きが開放されることによって足を着…

変形性膝関節症に良い靴選び②

どのような靴が変形性膝関節症に良いのだろうか? この問いの答えを生体力学は明確に示すことができます。 前回のエントリでは、ハイヒールを履いて歩くことが変形性膝関節症の発症や増悪させる要因になることについて考察しました。 『変形性膝関節症に良い…

変形性膝関節症に良い靴選び

近年の生体力学研究の発展により、変形性膝関節症の治療戦略に新たなパラダイム・シフトが起きています。そして、現在では、変形性膝関節症を予防するための靴選びにおいても明確な答えを示すことができるのです。 今回は、多くの女性が履いているハイヒール…

変形性膝関節症の予防④ 膝の屈曲拘縮を予防しよう!

変形性膝関節症(膝OA)の発症とその進行には、遺伝的因子、性別的因子(女性に多い)、体重因子、環境因子など種々の因子が関与すると言われているが、現在ではメカニカルストレスが最も重要な因子として注目されている(Felson DT, 2013)。 日本人に多い…

変形性膝関節症の予防③ 股関節外転筋トレーニングをしよう

膝内転モーメントは変形性膝関節症(膝OA)の重要なアウトカムである。股関節外転筋トレーニングが膝内転モーメントの減少に有効であるとされているが、近年のRCT、クリニカルトライアルによって、その効果は否定されている。しかし、股関節外転筋トレーニン…

変形性膝関節症の予防② 膝OAで股関節外転筋力が低下する理由

変形性膝関節症(膝OA)に対する股関節外転筋トレーニングの有効性についての論争は過去10年以上続いており、巷ではこれを「股関節外転筋論争」と呼んでいる。 前回のエントリでは、股関節外転筋論争の全容を紹介した。その中で、膝OAでは股関節外転筋力が低…

変形性膝関節症の予防① 股関節外転筋トレーニングの有効性について

前回、変形性膝関節症(膝OA)の予防において「歩行時の膝内転モーメントのピークとインパルスを如何に減少させるかが基本戦略になる」ということを考察した。 『変形性膝関節症の予防する基本戦略』 近年、膝OAのリハビリテーションでは、歩行時の膝内転モ…

変形性膝関節症のリハビリの新しい考え方

変形性膝関節症は、転倒と同様に健康寿命を損なう重要な要因のひとつであり、健康に楽しく長生きするためには予防すべき疾患である。 『健康寿命から考える転倒予防』 変形性膝関節症のリハビリをリスクマネージメントの考え方から定義すると、「変形性膝関…