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ダイエットするなら「やせる飲みもの」を飲もう!【最新エビデンス】


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 「ジュースなどの砂糖入り飲料を飲むと太る」

 

 このことは誰でも経験的にわかると思うのですが、これは科学的にも明らかで、ダイエットするなら「砂糖入り飲料は飲んではいけない」と言われます。

 

 しかしながら、あまり知られていないのが「砂糖入り飲料をやめることは難しい」ということです。

 

 なぜなら、砂糖入り飲料には「中毒性」があるから。

 

 そこで前回は「砂糖入り飲料の中毒性を断ち切る方法論」についての最新の科学的根拠(エビデンス)をご紹介しました。

ダイエットするなら「ジュース(砂糖入り飲料)の中毒性」を断ち切ろう!

 

 しかしながら、この方法論で砂糖入り飲料を卒業できたとしても、それで終わりではありません。

 

 現代の栄養学は、砂糖入り飲料を卒業したら、つぎに「やせる飲みもの」を飲むことを推奨しています。

 

 それが「コーヒー」と「緑茶」です。

 

 コーヒーが体重を減少させるエビデンスについては以前にご紹介しました。

コーヒーにはダイエット効果がある?【最新エビデンス】

 

 今回は、日本人にも馴染みの深い「緑茶」がやせる飲みものであるという最新のエビデンスとそのメカニズムについてご紹介しましょう。

 

 

Table of contents

 

 

◆ 緑茶が体重を減少させるエビデンスを知っておこう!

 

 世界中でさまざまな飲みものが摂取されていますが、じつは緑茶は、水についで世界で2番めに多く飲まれている飲みものです(Graham HN, 1992)。とくに日本や中国などの東アジアでの摂取量が多く、日本では、成人の50%以上が毎日、緑茶を消費しているとされています(Iso H, 2006)。

 

 そして、現代の栄養学は、緑茶が「やせる飲みもの」であるということを、エビデンスのレベルがもっとも高いメタアナリシスの結果から明らかにしています。

*メタアナリシスとは、これまでに報告された同じテーマの研究結果を集めて、全体としてどのような傾向をがあるのかを解析するエビデンスレベルがもっとも高い研究手法。

 

 最初に、緑茶が体重を減少させるエビデンスを示したのがマーストリヒト大学のHurselらです。

 

 2009年、Hurselらは、これまでに報告された緑茶が体重に与える影響について調査した研究結果をまとめたメタアナリシスを報告しました。

 

 緑茶を飲料またはカプセルとして12週間以上の期間で摂取させた11の研究報告が解析されました。その結果、エネルギー(カロリー)制限などのダイエット中に緑茶を摂取することは、摂取しない場合と比べて、大幅な体重の減少効果を示しました(-1.31kg)。

 

 緑茶による減量効果は、白人よりもアジア人で高くなるという民族性が影響していることも示唆されました(Hursel R, 2009)。

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Fig.1:Hursel R, 2009より筆者作成

 

 また2012年、ダルハウジー大学のJurgensらが報告したコクラン・レビューにおいても緑茶の摂取による体重の減少効果が支持されています(Jurgens TM, 2012)。

 

 さらに2020年、第四軍医大学西京医院のLiらは、これまでに報告された緑茶を飲むことによる体重への影響についてのメタアナリシスを報告しました。

 

 16のランダム化比較試験(RCT)をもとに1,090名の被験者が対象となり、緑茶の摂取による体格指数(BMI)への影響が解析されました。

 

 その結果、緑茶を摂取するとプラセボの飲みものと比べて、BMIを減少させることが示されました。BMIは身長と体重から計算されるため、BMIの減少は、体重の減少を意味しており、この結果から、緑茶の摂取が体重の減少に寄与することが示唆されています(Li X, 2020)。

 

 これらの結果から、緑茶の摂取は体重を減少させるというエビデンスが明らかにされているのです。

 

 では、緑茶をどのくらい飲むと体重の減少効果が期待できるのでしょうか?



◆ ダイエットにはペットボトル1本以上の緑茶を飲もう!

 

 緑茶をどの程度の期間、どのくらいの量を飲めば体重の減少に効果的なのか?という疑問に答えを示したのが済南市中医医院のLinらです。

 

 2020年、Linらは、これまでに報告された26の研究結果をもとにして、緑茶の摂取による体重の減少効果についてのメタアナリシスを報告しました。

 

 研究報告はアジアをはじめアメリカ、ヨーロッパの各国で行われたものであり、対象は太り過ぎから肥満の1,377名の被検者で高コレステロール血症、糖尿病などを罹患しているものも含まれていました。緑茶の摂取期間は2週間から5ヶ月の範囲であり、緑茶の1日あたりの摂取量は99〜20,000mgとなっています。

 

 これらの条件で解析した結果、緑茶の摂取は肥満の被験者の体重や体格指数(BMI)を減少させる効果が示されました。

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Fig.2:Lin Y, 2020より筆者作成

 

 また、体重の減少効果は、緑茶の摂取期間が12週間以上で、摂取量が1日あたり500mg以上で高くなり、800mg以上でもっとも高くなることが示されました。

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Fig.3:Lin Y, 2020より筆者作成

 

 これらの結果から、Linらは、緑茶によるダイエット効果を期待するのであれば、少なくとも12週間以上、1日あたり500-800mgの摂取量を摂取することが必要であると結論づけています。

 

 そして、この結果は成功大学病院が行った10年間にもおよぶ疫学調査の結果によっても支持されています。

 

 1,103名を対象にした緑茶の摂取量と体重の変化との関連を10年間、追跡調査した結果、1日あたり平均434mlの緑茶を週間的に摂取した被験者は、緑茶を飲まなかった被験者と比較して、体脂肪率が低いことが示されています(Wu CH, 2003)。

 

 これらの結果を考慮すると、緑茶によるダイエット効果を得るためには「1日あたり500ml以上(ペットボトル500mlを1本以上)」を3ヶ月間、飲み続けるとダイエット効果が期待できるでしょう。

 

 では、なぜ緑茶を飲むと体重の減少効果が得られるのでしょうか?



◆ 緑茶でやせるメカニズム

 

 ポリフェノールとは、ほとんどの植物に存在する渋味や色素の成分のことで、自然界には5,000種類以上あると言われています。緑茶には「茶カテキン」というポリフェノールが含まれており、緑茶を渋く感じるのは、茶カテキンの渋味によるものです。

 

 茶カテキンには4種類あり、その中でもエピガロカテキンガレート(EGCG)が体重減少のキーファクターとされています。また、緑茶には茶カテキンだけでなく、カフェインも含まれています。

 

 典型的な緑茶飲料(たとえば、250mlのお湯に2.5gの茶葉)には、240〜320mgの茶カテキンが含まれており、そのうちの60〜65%がEGCGなので、おおよそ150〜200mgのEGCGが含まれていることになります。さらに、20〜50mgのカフェインも含まれています(Sang S, 2011)。

 

 そして、緑茶で茶カテキン(EGCG)とカフェインを合わせて摂取することではじめて体重の減少効果が高まるとされています。

 

 茶カテキンとカフェインを摂取することで生じるのが「熱発生」による安静時エネルギー消費量の増加です。

 

 茶カテキンとカフェインを摂取するとノルエピネフリン濃度が高まります。ノルエピネフリンは自律神経の交感神経を活性化させます。この交感神経の活性化が熱発生を高めることで、脂肪の酸化や安静時エネルギー消費量を高めることに寄与するのです(Türközü D, 2017)。

 

 また、茶カテキンの摂取は「脂質代謝」に影響を与えることが報告されています。

 

 肉汁たっぷりのお肉を食べると、脂質であるトリアシルグリセロールが小腸で吸収されます。トリアシルグリセロールはそのままでは吸収できないため、消化酵素であるリパーゼによって脂肪酸グリセリンに分解されて「ミセル」を形成して吸収されます。ミセルとして吸収されたのちに、改めてトリアシルグリセロールとなり、血管を通って全身の脂肪細胞に運ばれます。

 

 これに対して、茶カテキンは、小腸に吸収される前のミセルの形成を妨げ、トリアシルグリセロールの吸収を減らす効果があると示唆されています(Koo S, 2007)。

 

 ここまでは十分なエビデンスが示されているのですが、さらに近年、緑茶が体重を減少させるメカニズムとして提唱されているのが「AMPK仮説」です。

 

 AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)は、細胞のエネルギーが低下しているときにグルコース脂肪酸の取り込みと酸化を活性化する酵素です。

 

 茶カテキンの摂取はこのAMPKを活性化させます。これにより肝臓での脂肪酸合成が減少し、筋肉でのグルコースの取り込みが増加します。また、脂肪細胞でのトリアシルグリセロールの取り込みが減少するとともに膵臓からのインスリン分泌が低下します。このようなAMPKによる作用が体重の減少に寄与するメカニズムとして提唱されています(Yang CS, 2016)。

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 このように緑茶が「やせる飲みもの」であるというエビデンスだけでなく、そのメカニズムの解明も進んでいるのです。

 

 そして、緑茶はただ「やせる」のではなく、「健康に良い」ことも示されています。



◆ ダイエットするなら「健康に良い、やせる飲みもの」を飲もう!

 

 緑茶に含まれる茶カテキンには高い抗酸化作用があり、これが高血圧、高コレステロール血症、脳卒中のリスクの低下など、多くの健康上の利点を与えてくれることが報告されています。

 

 北京大学では、緑茶の摂取による血圧への影響について調査した14件のランダム化比較試験(971名の被験者)をもとにしたメタアナリシスを行い、緑茶の摂取は収縮期血圧拡張期血圧の有意な低下を認めたことを報告しています(Li G, 2015)。

 

 華中科技大学で行われた緑茶の摂取による高コレステロール血症への影響を検証したメタアナリシスでは、31件のランダム化比較試験(3,321名の被験者)を対象に解析した結果、緑茶の摂取が総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロールを低下させることが示唆されています(Xu R, 2020)。

 

 高コレステロール血症は、脳卒中の要因になります。そこで浙江大学で行われたメタアナリシスでは、緑茶の摂取量が1日あたり1カップ増えると脳卒中の死亡リスクが5%減少することが報告されています(Tang J, 2015)。

 

 緑茶による健康の増進効果のエビデンスは日本人においても示されています。

 

 国立がんセンターが行った大規模調査では、約30万人を対象に17.3年を追跡した結果、緑茶の摂取量が1日1カップ未満と比べて、1日5カップ以上ではすべての病気による死亡率の減少が認められました。とくに心臓病や脳卒中による死亡率の減少が低くなることが示されました。また、適度な摂取量(1日1〜4カップ)の摂取は、女性の癌や呼吸器疾患による死亡のリスクを減少させることも示されています(Abe S, 2019)。

 

 このように、緑茶は「やせる飲みもの」だけでなく「健康に良い飲みもの」でもあるのです。

 

 

 健康によく、やせる効果がある緑茶は、幸いにも日本人に馴染み深い飲みものです。砂糖入り飲料を卒業したあとには、水を飲むのもよいですが、緑茶を飲むようにすること、健康的にダイエット効果を高めることにつながるでしょう。

 

 緑茶の渋味がどうしてもダメという方もいると思います。そのときはコーヒーを飲むことをオススメします。コーヒーにもダイエット効果を示すエビデンスが報告されており、「やせる飲みもの」であることが示唆されています。もちろんコーヒーを飲むときには「ノンシュガー」にしましょう。

コーヒーにはダイエット効果がある?【最新エビデンス】

 

 さいごに、やせる食事プレートのやせる飲みものに「緑茶」を追加しておきます。

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◆ ダイエットの科学シリーズ

シリーズ1:「朝食を食べないと太る」というのは都市伝説?〜最新エビデンスを知っておこう

シリーズ2:ダイエットが続かないのは「寝不足」が原因?【最新エビデンス】

シリーズ3:テレビをつけたまま寝ると太る最新エビデンス

シリーズ4:コーヒーにはダイエット効果がある?【最新エビデンス】

シリーズ5:ダイエットするなら「太るメカニズム」を理解しよう!〜糖類編〜

シリーズ6:ダイエットするなら「太るメカニズム」を理解しよう!〜脂質編〜

シリーズ7:筋トレをして筋肉を増やせばダイエットできる説を検証しよう!

シリーズ8:ソイ・プロテインなどの大豆食品によるダイエット効果の最新エビデンス

シリーズ9:太ると頭が悪くなる?最新エビデンスを知っておこう!

シリーズ10:ダイエットをすると頭が良くなる最新エビデンス【科学的に正しい自己啓発法】

シリーズ11:ダイエットすると筋肉量や筋力が減ってしまう科学的根拠を知っておこう!

シリーズ12:筋肉を減らさない科学的に正しいダイエット方法を知っておこう!【食事編】

シリーズ13:筋肉を減らさずにダイエットするならタンパク質の摂取量を増やそう!

シリーズ14:ダイエットで食欲を抑えたいならタンパク質を摂取しよう!

シリーズ15:タンパク質が食欲を減らすメカニズムを知っておこう!

シリーズ16:寝不足がダイエットの邪魔をする!〜睡眠不足が食欲を高める最新エビデンス

シリーズ17:ダイエットは超加工食品を避けることからはじめよう!

シリーズ18:ダイエットするなら「太る炭水化物」と「やせる炭水化物」を見極めよう!

シリーズ19:ダイエットするなら「白米よりも玄米」を食べよう!

シリーズ20:ダイエットするなら「やせる野菜と果物」を食べよう!

シリーズ21ダイエットするなら「健康に良い、やせる脂質」を食べよう!

シリーズ22:ダイエットするなら「おやつにナッツ」を食べよう!

シリーズ23:ダイエットするなら「ジュース(砂糖入り飲料)の中毒性」を断ち切ろう!

シリーズ24:ダイエットするなら「やせる飲みもの」を飲もう!

 

 

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◆ 参考文献

Li X, et al. Does tea extract supplementation benefit metabolic syndrome and obesity? A systematic review and meta-analysis. Clin Nutr. 2020 Apr;39(4):1049-1058.

Hursel R, et al. The effects of green tea on weight loss and weight maintenance: a meta-analysis.  Int J Obes (Lond). 2009 Sep;33(9):956-61.

Jurgens TM, et al. Green tea for weight loss and weight maintenance in overweight or obese adults. Cochrane Database Syst Rev. 2012 Dec 12;12:CD008650.

Lin Y, et al. The effect of green tea supplementation on obesity: A systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trials. Phytother Res. 2020 Oct;34(10):2459-2470. 

Wu CH, et al. Relationship among habitual tea consumption, percent body fat, and body fat distribution. Obes Res. 2003 Sep;11(9):1088-95.

Sang S, et al. The chemistry and biotransformation of tea constituents. Pharmacol Res. 2011 Aug;64(2):87-99.

Türközü D, et al. A minireview of effects of green tea on energy expenditure. Crit Rev Food Sci Nutr. 2017 Jan 22;57(2):254-258.

Koo S, et al. Green tea as inhibitor of the intestinal absorption of lipids: potential mechanism for its lipid-lowering effect. J Nutr Biochem. 2007 Mar;18(3):179-83.

Yang CS, et al. Mechanisms of body weight reduction and metabolic syndrome alleviation by tea. Mol Nutr Food Res. 2016 Jan;60(1):160-74.

Li G, et al. Effect of green tea supplementation on blood pressure among overweight and obese adults: a systematic review and meta-analysis. J Hypertens. 2015 Feb;33(2):243-54.

Xu R, et al. Effect of green tea consumption on blood lipids: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Nutr J. 2020 May 20;19(1):48.

Tang J, et al. Tea consumption and mortality of all cancers, CVD and all causes: a meta-analysis of eighteen prospective cohort studies. Br J Nutr. 2015 Sep 14;114(5):673-83.

Abe S, et al. Green tea consumption and mortality in Japanese men and women: a pooled analysis of eight population-based cohort studies in Japan. Eur J Epidemiol. 2019 Oct;34(10):917-926.

Graham HN, et al. Green tea composition, consumption, and polyphenol chemistry. Prev Med. 1992 May;21(3):334-50.

Iso H, et al. The relationship between green tea and total caffeine intake and risk for self-reported type 2 diabetes among Japanese adults. Ann Intern Med. 2006 Apr 18;144(8):554-62.

 

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